「所有者不明空き家」という問題

隣の空き家が老朽化しているのに、所有者や相続人に連絡が取れない——。 こうした「所有者不明空き家」は全国に増加しており、近隣住民を悩ませる深刻な問題です。


所有者を調べる方法

1. 法務局で登記情報を取得する

登記簿(登記事項証明書)に所有者の氏名・住所が記載されています。

  • 手数料:窓口600円、オンライン480円
  • 登記上の住所に手紙を送ることができます

2. 固定資産税の課税情報を確認する

市区町村の固定資産税担当課に問い合わせると、納税義務者(所有者)の住所が分かる場合があります(一定の条件あり)。


所有者が死亡していて相続人も不明な場合

相続財産清算人の選任申立(2023年改正後)

相続人が全員相続放棄した、または相続人がいないと見込まれる場合、家庭裁判所に相続財産清算人の選任を申し立てることができます。

  • 申立人:利害関係人(隣地所有者・債権者など)または検察官
  • 申立先:被相続人の最後の住所地の家庭裁判所
  • 費用:申立手数料800円+予納金(数十万円になることも)

選任された清算人が不動産を売却し、債務を払った残りを国庫に帰属させます。

不在者財産管理人の選任申立

所有者が行方不明(失踪)の場合は、不在者財産管理人の選任を家庭裁判所に申し立てます。


近隣住民として取れる行動

1. 市区町村へ「空き家」として通報・相談

空家対策特別措置法に基づき、自治体が所有者への指導・命令を行えます。 市区町村の窓口(建築課・環境課など)への相談が第一歩です。

2. 特定空家・管理不全空家への指定を求める

自治体が「特定空家」「管理不全空家」に指定すれば、所有者への改善命令・代執行(行政が強制的に対処)が可能になります。

3. 緊急の危険がある場合

倒壊の危険・火災リスクがある場合は、自治体が緊急安全措置を取ることができます(費用は後日所有者に請求)。


まとめ:まず自治体に相談を

所有者不明の空き家問題は個人では解決が難しく、法的手続きが必要なケースも多いです。 まず市区町村の空き家担当窓口に相談することで、自治体が動いてくれるケースもあります。 司法書士・弁護士への相談も早めに行うことをお勧めします。